退屈そうな鳥が明日を拾って泣いていた

そんな顔で

そんな視線を向けないでくれよ

この半分にわかれた身体がガラクタに変わっていくのが

何より僕は怖いんだ

 

君が見つけるその先に僕はいるのかな

いないとしたら僕は消えて無くなろう

これ以上たくさんの色と音が叫び出さないように

 

ねえ君には何が見えているの

僕にはそれがわからないんだ 

ねえ君には何が聞こえているの

僕にわかるように教えてよ ねえ

 

そんな顔しないで

僕が悪いのかい

 

目の前のことがわからないように

僕がわからない みえない

 

仕方ない、仕方ないなんて

 

だけど いやだ

僕は絶対にあきらめない

 

それでいいなんて思えないよ

 

そんな顔しないで

そんな目をして見ないで

 

きっと僕が

連れ戻せるものを探してくるから

アルモノ

この止まることのない音。

君にはきっと聞こえるだろう。

ただずっとそこにあって、

そっと僕らの名前を呼んでいる。

だけど僕らはこの騒がしくてうるさい、日常に住んでいるからじっと澄まさないと逃げていってしまうんだ。

 

その音たちはとても繊細で怖がりで引っ込み思案。

臆病で誰よりも優しい音をしてる。

 

時に人間は音たちを閉じ込めようとする

暗くて冷たいところ、光が無いところ

音たちは皆死んでいってしまう

 

自分を光らせて 星屑に変えて。

 

人間は欲張りで利己的で時に優しさすら真っ黒い色をして笑っている。

そんな人間を音たちはとても恐れているけれど、雨上がりの朝露のようにまぶしく、雲ひとつない空や、綿菓子で作った純白のドレスのようにやわらかい心があることも知っている

 

それに音たちは人間にきかせるために在るのだ。

それぞれの音を精一杯の生命を込めて、そっと静かに。

それは天使の囁き、五月の緑しげる葉っぱの風の調べ、あの子が描く下手な星の絵の声。

物語の始まり、すべての宇宙の歓喜

ためいきとゆめときみ。

消えた雲を探しに行こう

それはもう誰かが食べてしまったのかな

溢れる湖、こぼれた星屑。僕の目はキリンが生んだ涙のしずく。揺れるスカートからの風、妖精の羽根の囁き、そして優しく照らす月光。

君がつくため息をそっと砂時計に変えて

僕と夢の記憶を数えよう。

 

ひとつふたつ、みっつ。

そこからはずれたラムネ玉がころころ転がってバクがぱくぱく食べちゃった。それを探してリスが走りまわってる。

ぶどうジュースの海に浮かんでたアイスクリームの島が泣いたから、どろどろどろーって溶けて七色にヒカる人間の鱗を隠しちゃった。

人間は目玉だらけの真っ黒くろすけで工場の灰みたいな息をして、その海をじゃぶじゃぶ泳いでる。だからたくさんの星屑たちや動物が息ができなくなって、結晶になって世界中にバラバラに飛んで行っちゃうんだ。

ちいさくちいさく人間たちに見えない様に。これ以上穢されない様に。

透明のクリスタルで出来たイルカが金色の涙を流して人間のヘドロを虹色のミックスジュースに変えちゃうの。

人間の手も足も透けていってただの雪だるまみたいな毛糸にまるまるん。するするするーっとほどけていって、オレンジ色のお空に一目惚れ。プレゼントをあげたくて自分を結んで引っぱってさあ、どーぞ。

空いっぱいのおおきなリボンでデコレーション。

夜空のカーテンが降りてきて みんなあくびを始めた、さあそろそろおやすみなさい。

 

今見えるもの

小さい頃は 何にだってなれるし

わたしは皆よりもずっとずっと幸せ者で

愛されていて、よく出来る子なんだってそう疑わなかった

 

わたしはどこの誰よりも特別なんだって。

 

今だからわかる みえてる世界が小さかったからだって。

 

今は世の中のことを考えるとこわいものだらけだ

ちびの頃よりずっとビビリになったし

何にでも保険をかけて考えるようになった

こわくてこわくて仕方が無い毎日だ

不安で夜も眠れない日だってある

 

手に入れればいつか失う

だから最初からいらないなんて考えて

始まりを避けては終わりを遠ざけようとした

終わりなんてなければいい。

そう心から思う

 

わたしはいつだって確かなものばかり追いかけてる

 

あれでもない、これでもないって

確かな愛ばかり追いかけてる

追いかけてる内は得られるはずもないことも知りながら。

 

わたしには足りないものばかりだ

何も出来なくてきっと

独りで生きていくのもできっこないだろう

それだけは確かだ

 

神さまなんてこれっぽっちも信じちゃいないけど

なあ、もしいるなら ありがとうといいながら罵倒して

ぐちゃぐちゃにしてやりたいよ

 

よくもこんな不安定で不完全で

独りで生きられない呪いをかけてくれたなって

そしてこう言うんだ。

 

ありがとう。 独りで生きられないから

こんなにも人を愛せたよってさ

これを言うことがわたしも夢でもあるんだ

 

ねえ、もう1度信じてみてもいいのかな

こんなぼろぼろで危うくて脆くなった命を

もう1度預けて信じてもいいかな 

そう今は思ってるんだ

 

ミライのわたし 

きっと今読んでいるでしょう?

 

イマのわたしはさ、

信じてみることにしよっかなってそう思ってるんだ

ねえ わたし どう思う?

 

 

もう頑張る元気なんて残ってないって

思っちゃってるわたしが

 

頑張りたいなって気持ち、芽を出してるんだ

 

倒れるくらい歯を食いしばってさ

もう1度だけ挑戦してやる

無理だったら

わたしはこれだけやったんだって開き直って

ぜーんぶ君に押し付けてやるんだ

 

独りじゃなんだ

もう 大丈夫

 

さあ、この扉を大きく開けよう

次は笑顔を咲かせるんだ

涙の雨はもう降らない

これからは希望の桜が満開に咲き誇る

春の訪れの音を聴きながら

きれいないろを咲かせる季節(とき)がやってくる

 

さあ、頬を伝う涙を拭って

もう独りじゃない

 

こわいだけの日々はもう幕を閉じる

これからはたのしいことで溢れてるはずだから

 

悲しみに暮れるわたしよ

前を向いて

顔をあげて

そして微笑んで

 

 そっと踏み出すの

 

まだ終わりがこわくて始まりを拒んでしまう

だけどきっと大丈夫

 

そっと 歩き出すの

 

そう、いい子ね

この手をどうか離さないで