涙。

きらきら、今日もなみだちゃん。 

あの子の金平糖

何も変わらない日常と呼ぶに相応しい空が
そこには広がっていた
当たり前だと信じて疑わないにして幸せすぎる
“当たり前”がそこにはあった
僕と彼女はただ何も無いこの風景に髪をなびかせ、
ゆっくりと確かめるように歩いてく。

君がふと言った。
「私のこと見えているの?」
僕は驚いてしまって思わず声が震えてしまった。
「どうして、?」

「だって私を見る時のあなたの目は
まるで自分の影を見るように凍っているんだもの」
そういうと君は静かに僕の瞳を
一生懸命に見つめていた。

僕は黙ってしまった。
澄んだ何一つ曇もない彼女の瞳。
視線を外すなんて出来っこなかった。

そして言った。
誰か見えない、存在するかもわからないものに囁く様に。
勿忘草色の空を見上げてそっと、呟く様に。

「みえ、てる、?」

僕の心が軋む音がきこえた。


だって君がこれ以上ないほどに悲しく笑っていたから。


儚く今にも崩れ散ってしまうように。
冷たくそして優しく。

なんて苦しく笑うのだろう。
なんて心が痛いんだろう

もう、いかれてしまいそうだ。



そして君は泣いた。微笑みを浮かべながら。
静かに。まるで雪がしんしんと積もるよう。

なんて美しいんだろう。
僕はその儚く消えそうに咲き誇る君の姿に釘付けになった。
動けなかった。
頭の中が真っ白になる。


音もなくでも確かに
壊れる音が響いているのがわかった。
それが僕からの音なのか、君の音なのかは
僕にはとてもわかりっこなかった。

触れると失くなってしまいそうに思った。
でも、触れなければ消えてしまうとも思った。


僕はそっと、出来るだけそっと涙を拭った。
頬を伝う君の涙が露草色の金平糖になった。

 ぽろぽろぽろ。
静かにきらきら落ちていく。

それは夜空に浮かび満々と光り輝く一等星。
それは真っ青に透き通った海の底の真珠。
それは暗闇に月明かりを照らしてひらひらと舞う雪の結晶。



優しくて 甘い 雪のように溶けて消える こ金平糖
君の寂しさの欠片の味がした。

たしかに孤独の味がした。

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