今見えるもの

小さい頃は 何にだってなれるし

わたしは皆よりもずっとずっと幸せ者で

愛されていて、よく出来る子なんだってそう疑わなかった

 

わたしはどこの誰よりも特別なんだって。

 

今だからわかる みえてる世界が小さかったからだって。

 

今は世の中のことを考えるとこわいものだらけだ

ちびの頃よりずっとビビリになったし

何にでも保険をかけて考えるようになった

こわくてこわくて仕方が無い毎日だ

不安で夜も眠れない日だってある

 

手に入れればいつか失う

だから最初からいらないなんて考えて

始まりを避けては終わりを遠ざけようとした

終わりなんてなければいい。

そう心から思う

 

わたしはいつだって確かなものばかり追いかけてる

 

あれでもない、これでもないって

確かな愛ばかり追いかけてる

追いかけてる内は得られるはずもないことも知りながら。

 

わたしには足りないものばかりだ

何も出来なくてきっと

独りで生きていくのもできっこないだろう

それだけは確かだ

 

神さまなんてこれっぽっちも信じちゃいないけど

なあ、もしいるなら ありがとうといいながら罵倒して

ぐちゃぐちゃにしてやりたいよ

 

よくもこんな不安定で不完全で

独りで生きられない呪いをかけてくれたなって

そしてこう言うんだ。

 

ありがとう。 独りで生きられないから

こんなにも人を愛せたよってさ

これを言うことがわたしも夢でもあるんだ

 

ねえ、もう1度信じてみてもいいのかな

こんなぼろぼろで危うくて脆くなった命を

もう1度預けて信じてもいいかな 

そう今は思ってるんだ

 

ミライのわたし 

きっと今読んでいるでしょう?

 

イマのわたしはさ、

信じてみることにしよっかなってそう思ってるんだ

ねえ わたし どう思う?

 

 

もう頑張る元気なんて残ってないって

思っちゃってるわたしが

 

頑張りたいなって気持ち、芽を出してるんだ

 

倒れるくらい歯を食いしばってさ

もう1度だけ挑戦してやる

無理だったら

わたしはこれだけやったんだって開き直って

ぜーんぶ君に押し付けてやるんだ

 

独りじゃなんだ

もう 大丈夫

 

さあ、この扉を大きく開けよう

次は笑顔を咲かせるんだ

涙の雨はもう降らない

これからは希望の桜が満開に咲き誇る

春の訪れの音を聴きながら

きれいないろを咲かせる季節(とき)がやってくる

 

さあ、頬を伝う涙を拭って

もう独りじゃない

 

こわいだけの日々はもう幕を閉じる

これからはたのしいことで溢れてるはずだから

 

悲しみに暮れるわたしよ

前を向いて

顔をあげて

そして微笑んで

 

 そっと踏み出すの

 

まだ終わりがこわくて始まりを拒んでしまう

だけどきっと大丈夫

 

そっと 歩き出すの

 

そう、いい子ね

この手をどうか離さないで