場所
わかるだろうか
一人暮らしをしている君ならわかってくれるかな
わたしには一人で暮らす家があって、そこがたとえ自分のお金で自分の力で生活している場所ではなくとも、
私にとっては私の家に違いない
そこにいると気づかない
ここは仮住まいのように感じて、自分の居場所ではないように思う
だけど、実家に比べたらはるかにずっと自分の暮らす家に感じる
ここにいたら、時間の流れがとても早い
早すぎて、何も考えられない
考えられないから早すぎるのか
それすらもわからないほど
頭が痛くなる
ここは、この家族は、私にとって何故か過去でしかなく、また懐かしむものですらない
そのことが違和感で、
落ち着かない
音が溢れている
私は音に敏感で、私というより、私の脳という存在が、音に影響を受け過ぎてしまうのだろう
うるさいのは嫌いだ
人の呼吸音も、足音も、動作音も、扇風機の音も、寝言もいびきも、全部苦手だ
必要ないのに、気配を把握してしまうしないでいるなんて無理だ
眠るのと、眠らないのと、その狭間の瞬間が好きだ
微睡むのが気持ちよくて、生きていて幸せな時間だ
眠るのはこわい
1日が終わってしまうのがこわい誰かわからないけど、何にかもわからないけど自分の価値を考えて、責められているようで、落ち着かない苦しい
一人暮らしはいい
計画して、できなかったらまた計画して、実行して、計画して、そして時間は過ぎる
無意味だとしにたくなるけど、それでも計画して、なんか、微睡んで、
今の私は計画してもできない
自信が崩れていく
音を立てて、崩壊するのがわかる
誰も知らないうちに、誰にもわからずわたしだけ取り残されるように崩れていく心配なんて、届かないところで、
わたしの涙なんかで保湿できないところで、助けてと聞こえないところで
もし、わたしが死んでも
わたしの苦しみや戦いに誰も理解できる人間はいないだろう
それほどにわたしの苦悩は複雑でかつ簡単で情報は少なく、絶望するには取るに足らないほどの最小量であるように見えるだろうから
現実の事情など、わたしはなにも憂いてはいない
君にはわかるだろうか