女子トイレ個室にて沈黙

私はいつも何故か謎の自信がありました。自分の顔も結構好きでした。話せばまあまあ面白いやつだと自分では思ってました。だけど違ったみたいで小学生は無敵で過ごしていたわたしは中学高校は友達も出来ず、学校もよく休んでいて、だけど、不登校にもなれませんでした。不良にもなれず、真面目でもなくどの場所にも馴染めませんでした。
ミスidの存在を知ったのは学校の女子トイレの中。
光を見つけたような希望、みたいなものをみつけました。
賞をとった女の子たちのページを夢中になって見ました。
ぐちゃぐちゃの気持ちになって気持ち悪いけど、嫌な感じではなかった。
ごめんなさい、私は何も持ってません。ですがわたしという人間をわたしをみてほしいです。お願いします。
そして、誰かをみつけられるような、大勢ではないひとりひとりを肯定できるような人間になっていきたいです。
私は靖子ちゃんに出会って衝撃的だった。私以外にこんなことを考えてそれこそ身体全体で、全身全霊でしかも成功させててスゴすぎると思った。
私は誰かを絶対的に肯定したい、だからそのために生きていたいと思った。
私は寂しくてずっと私は私のまま、受け止めて素敵だねって誰かに言って欲しかった。それは今もだと思う。
どうしたってみんなに勝てない気がしていた。だけど私っていう人間は一人しかいないという考えでのみ存在を認めることが出来た。
かわいい子はみんな脚が細かった。靖子ちゃんが好きだという女の子だってみんな細い。ミスidで選ばれる女の子みんな脚が細い。ふくらはぎが細い。むちむちしていても脚が太いアイドルやかわいいと言われる人達はいない。だから私はアイドルにはなれないし、ましてや女の子ですらない、そう思っている。だってどんな子だってかわいくなれるワンピがあったとしても、きっと私のこの脚ではかわいくなれないだろう。
だから私はまずは痩せて、それから整形したい。女の子になりたい。スカートが似合う、ショートパンツが似合う、華奢で骨を感じるようなそんな女の子に。
それまでは肌を見せれない、顔を見せれない
生き長らえながら死ぬ。

 

2017/11/06